まぁお茶でも

(ゆ・-・)っ旦~ まぁお茶でも > 上映会
2005/12/04

上映会

2005/11/9の夢より


秋は日が短い。
先ほどまで外の光で明るかった図書室内がもう薄暗くなってきた。
こうなるなら電気をつけておくべきだった。
・・・。
後悔するとよくないことが起こるものだ。
この状況で筆箱の中身をばらまいてしまうとは。
電気をつけるべきか。
昼間置き忘れた荷物を取りに来ただけなので、この部屋にいるのは私だけ。
わざわざ行くのも面倒だ。
私はもちろん電気をつけに行く。
なぜなら暗すぎて落ちている物を見落としたらそれもまた私にとって、非常に面倒なことだからです。

ガサッ
何かが擦れるような音。
本棚の向こうで何かが動く。
彼女は気付かない。

図書室の入り口まで辿り着く。
やはり私の読みは正しかった。
ここまで暗くなって電気をつけずに物を拾うなど正気の沙汰ではない。
スイッチを入れる。
電気がつく。
そんな文明の利器。
早く帰ろう。
先ほどの場所まで戻る。
ペンを拾う。
少し離れた本棚の下まで転がっていっていた消しゴムも拾う。
これで全部のようだ。

ジジジ・・・

妙な音がしたが気にせず荷物を鞄にしまう。
・・・。
電気が消えた。
今日は何かとよくない事が起こる日だ。
足早に出口へ向かう。

暗闇の奥に浮かび上がる白いもの。

電気のスイッチを確認する。
当然「入」のまま。
停電だろうか。
一応切っておく。
扉に鍵をかける。
鍵を返すために職員室へ向かう。

奥の本棚の隙間から見えていた白い足。
その上で蠢く黒い塊。
結局彼女は最後までそれに気付かなかった。

なるほど。

暗転。

「お疲れ様でしたー。」

先ほどの彼女と撮影スタッフ達。

「次、「浴室」の撮影いきましょう。」
原作は有名な短編集。
内容は「浴室」、「夢」、「撮影所」、「図書室」、「目」。の5つ。
どれも得体の知れないものに主人公が襲われるような平凡すぎるもの。
敢えてそれを選んだのはこうしたアレンジがしやすいから。
この時点で観客は気付くだろう。

次は「浴室」?
しかしこの流れは「撮影所」のものだ。
「浴室」の撮影中に「撮影所」をやるというのか。

「浴室」は普通だ。
全5話のうち第1話「図書室」で死ぬ役ではなかった私が第2話で死ぬことで意外性を出すらしい。
どっちにしろ「浴室」の主人公は女の私がやることになっていたんだろうが。
まぁ全体としていい作品ができればどうでもいいことだ。

シャワーを浴びる彼女。

うはwwwww

当然目立たない水着を着ている。
こんなところで裸を晒してもしょうがない。

「あー疲れたー。」

疲れたなら喋るなよと思いつつ台詞を言う。
このあと何かが落ちてきて「きゃー」。
その後はカーテンに映るシルエットで適当にもがいて血のり付けてちょっと出て終了。
それだけか。
電気が消える。
ハァ?
聞いてない。
というより停電ネタは出しすぎだろ。

「ぐわあ」

電気がつく。
皆が倒れている。
「撮影所」か。

「図書室」後のやりとりを撮っていたことを知らない彼女もここでわかるだろう。
指示を出すようにもしておいた。

メモを渡された。
「気付かないふりをして少しシャワーを浴び続け、カーテンを開けて「きゃー」」
ただの「撮影所」。
結局出番は少ないわけだが。

ドスン

え?
カメラマンの・・・死体?
なにやら腕が胴体から離れてたり腹が裂けて何かが出ていたり・・・。
「ぎゃーー」

暗転

・・・。

15分間休憩です。

「撮影所」だけでなく「浴室」も同時か。
しかし最後の彼女の怯えた顔は・・・。

不意打ちは成功した。

あれは・・・怖かった。
何かわからんが迫力があった。
あれは・・・。

休憩中に席を立つ人々。
彼もまたその一人。

とりあえずトイレに行ってこよう。
しかしあの顔は・・・。

死体は人形でも彼女が本物だと思えば本物を見た顔をしてくれる。

怖い・・・怖すぎた・・・。

そして上映会は再開される。
あまりにも怖いものを見たため自分の目を潰して死ぬ「目」。
主役は当然彼女。
しかしこの後「目」、「夢」と続いても特に見るべきところは無かった。
そして彼はそれを見ていなかった。

・・・

彼はトイレで、「目」のように。

「・・・。」

ちなみに「夢」は本当になんともない話。
人が死ぬ夢を見た人がその内容を話すと、それを聞いた人が同じように死ぬというもの。
ただそれだけ。
所詮私の夢の話ですからwww



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